節税法

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 沢山のコメントありがとうございます。複数のテーマでコメントを頂戴していますが、今回はそのうち、減価償却費を使った節税について私見を述べたいと思います。
 一般に不動産投資では建物価格を高く取り計上して減価償却費をなるべく多く取る、という手法がいわば教科書的に伝えられています。私もしばしばこのことについて記事を書きました。しかし、これは保有期間中の税引き後キャッシュフローのことを言っており、投資全体で考えると、減価償却して簿価が下がると、取得価格で売っても売却益が発生します。保有期間中の減価償却費を大きくするほど売却益が発生し易くなる訳です。あるいは、買った値段よりも安く売ったので売却損が発生したつもりでも、実は売却益が出ていたり、帳簿上の売却損が少なくなったりしているのです。
 例えば、取得閣下う5千万円の物件を土地3千万円、建物2千万円に分けて建物2千万円分の減価償却をし切ったとします。すると簿価は3千万1円になります。3千万2円以上で売ると売却益が出ます。仮に残債が4千万円で売却経費を引いた手取り4千万円相当で売却したとすると、千万円が売却益になります。売却代金は完済して残っていないなかで、納税は発生します。
 前段の物件を減価償却費が終わった後で個人・法人間で移転させるとすると3千万円以下で売買しないと売主に売却益が生じます。3千万円で売買してもそれが安過ぎると税務署に判断されれば買主に贈与税がかかります。贈与税がかからなかったとして、3千万円で売買した物件の建物価格をそれほど高額に取れるでしょうか。身内の中での売買の場合、固定資産税評価額を使って求められる建物価格以上にはできないでしょうから、そうなると売買後は減価償却費をあまり取れません。また、移転コストを考えるとそのメリットもあまり無いように思えます。
 グループ内で収益不動産を転がして減価償却費を取り続ける方法が上手くいくのは、土地価値が非常に低い地方に限られるのではないでしょうか。東京・神奈川では固定資産税路線価が10万円を大幅に下回る地域はあまりありません。それに対し、築30年近くの木造建物の固定資産税評価額は平米2万円以下になります。ですから、固定資産税評価額按分ですとあまり建物価格を取れず、そして、高い土地評価額を基準に取得税と登録免許税がかかります。仮に行うとすれば、土地は移転せずに建物のみを移転することでしょうが、融資を受けて設定がある物件ですと金融機関の同意を得るのがかなり大変です。
 これが地方で土地固定資産税評価額が平米単価2-3万円ならば、建物価格ともつり合いが取れ、かつ、土地移転コストも安いので、地方ならば良いのではないかと思います。
 このように減価償却費を使った節税は保有期間中のものに過ぎず売却時にその分売却益が出易くなるほで、私はこれを本質的な節税とは考えていません。本質的な節税は前回のメルマガで書いた保険を使う方法でしょう。保険料全額損金で簿外資産を作り、使途があるときに保険料払込累計額の解約返戻金を受け取ることで、かなりの節税が出来ます。私はそこまでやっていませんが、人によって上手くやれば毎年千万円位損金で落とすことができます。税率40%だとすると毎年400万円の節税です。詳しくはメルマガを読み直して下さい。
 私は当初このような保険を使った節税が融資対策上良くないと思い行っていなかったのですが、決算書の個別注記表に簿外資産として解約返戻金を記載することで、その分を資産とみなして貸借対照表を修正して財務分析(定量分析)してくれる、さらに、そのような備えをしておくことで経営者能力や将来の発展性を高く評価(定性分析)してくれる金融機関が多いことが分かり、今は多数の保険契約を結んでいます。
 特に、融資を受ける必要があまり無い事業を営んでいて法人所得の多い社長さんは、この時期に入るべきでしょう。生命保険会社や保険代理店と契約のある社長さんのところには既に案内が届いていることと思いますが、来月以降の契約だと全額損金処理できなくなるので、この節税スキームはあと2週間で終わりです。個人事業主の方は法人設立手続きの関係で、すぐに着手しないと間に合いません。
 ということで、減価償却による節税について、皆さんどのようにお考えでしょうか。引き続きコメント頂ければと思います。
 次回は、法人・個人どちらで資産を築くのが良いか、また、法人の資産を個人の移転させるのにどのようにすれば良いか等を書こうかと思っています。ご関心のある方は、をクリックして下さい。私は皆さんに関心の無い話題は書きません。

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