「個人が背負う負債として●億円は大き過ぎる」と断られたことありませんか

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 本日未明に配信したまぐまぐのメルマガはお読み頂けましたでしょうか。メルマガの続きです。
 私の不動産投資会社は2007年4月設立です。東京・神奈川で支店網を展開している大半の銀行から融資を受けています。信用金庫を合わせると融資金融機関20です。リーマンショック後不動産案件への融資は概して厳しくなりましたが、私の場合、リーマンショック前の2008年よりも今のほうが融資が受け易いです。
 
 主たる理由の一つは会社の財務状況です。不動産投資では購入時に発生する登記費用(登録免許税等)と不動産取得税が損金となるので、1年目、家賃収入が無い中で不動産を購入することで、赤字になることが多いです。営業を重ねて物件数と家賃収入が増えてくると取得時の経費を引いても黒字になります。そして、毎年の利益が資本として蓄積されるので、黒字決算を続ければ続けるほど決算書の見栄えは一般的に良くなります。
 2008年に今よりも融資付けに苦労した理由の一つは、創業後1年で決算書が赤字だったかたです。その後黒字に転じ、今では、地域密着の信用金庫以外、融資審査で断られることは非常に少なくなりました。
 もう一つの理由は個人では無く会社として見られるようになったからです。所得税対策のために法人を一人で作って経営している不動産投資家は多いと思われます。私の場合、法人を作った理由は、個人では連帯保証人がいなかったので借り難いのに対して法人ならば自分が連帯保証人になれば済む、という借入拡大のためという部分がありました。2007年3月に大学院を出て同年4月に会社を作り代表取締役に就任した「就職」という側面もありましたが、融資対策という部分は大いにありました。
 しかし、法人といっても社長一人で役員も社員もいない会社は、形式上法人であっても、実質個人とみなされがちです。金融機関は融資をして回収するのが商売ですから、返済されなかったり、事務手続きが生じたりしたときに、借主と連絡を取れなければ困ります。
 メルマガで「法人は死なない」と書きましたが、社長だけで他に役員も従業員もいなければ、社長が死んだ時点で会社も死んでしまう恐れがあります。少なくても、会社の株と連帯保証債務を相続する遺族が何らかの形で会社に関わらなければ、担保不動産を競売にかけるしかなくなってしまいます。死なない法人の条件として、
・株式の円滑な相続
・代わりの代表取締役候補の存在
が必要です。
 そして、社長が死ななくても怪我をしたり病気になったり身柄拘束されたり旅行に行ったりといった様々な理由で、銀行が社長と連絡を取れなくなることが懸念されます。そうした際でも返済が滞らず、何かあった際には銀行員が会社の幹部と会えるということが望まれます。
 特に重要なのは経理機能です。経理責任者が役員か従業員かということよりも、会社に電話をかけたり訪問したりすれば経理担当社員が対応し、返済や事務手続きが行われる体制ですと、貸す方は安心です。
 法人を設立しても実質個人では、融資を申し込んだ際に「個人が背負う負債として●億円は大き過ぎる」と断られることがあります。私もかつてそれを経験しました。決算書等の数値以外の部分として、会社の性質や代表者の能力、こういった質的な側面も審査対象となります。
 ゆえに、個人では資産家で相続対策が必要で子供が連帯保証人になって収益不動産を買う際に大きな銀行が融資をする、といったような場合は別として、私達庶民が賃貸収益を上げることを目的とした購入については、高額な借入をすることが難しいのです。法人化すれば借り易くはなりますが、社長一人しかいない法人で何十億円も借りるというのは非常に難しいでしょう。
 ある程度の売り上げ規模があったほうが良いでしょうが、ただ一人で頑張って不動産を買い続けるといういことではなく、ある程度まで達すると組織作りも重要です。
 今日は新規取引金融機関に申込書を書きに行きました。事業性融資では、正式な申込書を書くということは、担当店・部レベルでは既に根回しが終わっていて、融資できる可能性が高いことを大抵意味します。一部例外的な金融機関もありますが、個人ローンと違い法人融資では、実質的に申し込みをしても申込書を書かせてもらえません。申込書を書くのはかなり審査が進んだ後の段階です。
 申込書類を書きながら、個人融資と法人融資の違い等について融資担当者と話をしました。今日はかなり小規模な金融機関だったのですが、名目上だけでなく法人として実質的に機能しているかどうかは審査上の着眼点のようです。私の会社は完全に法人扱いのようです。先日メガバンクの担当者が話していた事と共通することも多く、それらを受けて、この記事を書いています。
 金融機関から法人として認められるようになると、会社全体の借入額が▲億円もあるから融資できない、という話は基本的に出なくなります。業種の特性に応じた売上・利益を出しており負債を上回る資産や資本があれば、負債が100億円あっても問題とされません。実際、上場企業の財務データを見ると、巨額な借入金のある会社が多く存在していることが分かります。
 このブログでは、不動産賃貸業のみならず、様々な業種の社長さんが融資を受けて事業拡大するヒントを与えるような記事を当面書いていきたいと考えています。その方向性にご賛同下さる方は、人気ブログランキングへをクリックして下さい。

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