建物価格を高く契約する2

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 収益不動産売買において、建物価格・消費税額は時としてそれが原因で売買契約が成立しないほどの重要性を持っています。私が収益不動産の買い付け申し込みする際には、ほとんどの場合、買付申し込み額の後に「(うち消費税額●●円)」と書きます。消費税額を0.05で割ったものが建物価格であり、私は建物価格まで指値して買い付け申し込みをしている訳です。
 「建物価格●●円」という記載は、一戸建て以外しません。一戸建ては売主が自己居住目的で所有していた建物がほとんどなので、その場合は消費税は非課税となります。それに対し、売主が誰であろうと賃貸中の物件や賃貸が終わって空室になった物件というのは、不動産賃貸事業用の建物なので、消費税課税取引になります。
 宅建業者の営業マンと接していると、よく「売主が個人なので非課税です・消費税かかりません」と言われます。しかし、これは誤りです。売主が個人だろう法人だろうと、賃貸用建物の売却は消費税課税取引です。
 
 もっとも、小さな商店と同様、小規模な不動産賃貸事業者は課税売上高が千万円未満の免税業者であることも多いです。例えば年間収入1億円といっても住宅の家賃は非課税なので、駐車場や事務所用としての賃料、その他、自動販売機売上等雑収入を併せて課税売上年間900万円ならば、何も申告しなければ免税業者となり、消費税を納税義務がありません。消費税還付目的に課税業者届出をしている方も多いでしょうが、賃貸住宅投資専門のサラリーマン投資家さんですと、課税売上が千万円に満たない方が大半かとは思います。
 とはいえ、計算対象となる2期前の課税売上高がいくらか、また、課税事業者届出をしているかどうかまで、買主や仲介業者が売主に聞くべきことでは無いと私は考えます。ある税理士のコラムに「■個人が賃貸住宅用の建物を売却した場合 その物件が住宅の賃貸用である場合、家賃収入には消費税がかかりません。そのため、その物件を売却しても非課税と思いがちですが、そうではありません。住宅用に貸付けていた建物は、事業として使用していたものであるため消費税の課税対象になります」とある通り、売主が免税業者かどうかにかかわらず、取引自体は課税取引であり、個人売主が消費税を税務署に納税するかどうかは売主の事情や判断であり、取引としては課税取引として行うべきなのです。免税の零細個人商店が「1,050円(うち消費税額50円)」として物を売っているのと同じだからです。
 どうして「消費税」にここまで拘るかと言いますと、中堅・大手で広く採用されている不動産流通経営協会FRKの売買契約書式には、売買価格の建物・建物内訳を書く欄が無いからです。そのため、契約書上で明示させようとすると、消費税欄を使う必要があるのです。高く契約する以前に、消費税額を書かせないと、建物価格明示の契約が難しいからです。
 しかし、そうは言っても売主が個人の場合、仲介業者に消費税額を書かせるのはかなり大変です。そのため、代替策として、欄外の余白や特約に土地・建物の内訳を書かせる方法がありますが、会社・店舗・担当者によっては、それを拒みます。特に収益不動産の場合は通常収益還元評価で取引されますから、それを土地と建物に分解するのは、本来かなり難しい話です。そして、宅建業者は不動産鑑定業者ではないので、土地・建物の評価ができない、と言います。大手は契約ごとではどうしても保守的になるので、土地・建物の部分評価に加担したくない訳です。
 さて、昨日の契約は建物割合9割で成約になりました。どのような交渉でそのようになったか、具体的にお知りになりたい方は人気ブログランキングをクリックして下さい。
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