アパートの遮音性

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 今日は、メール相談の方からアパート新築で見積りを取る際の注意点について助言を求められました。私は中古投資が専門なので新築への助言はあまりできないのですが、アパート経営をしている経験上、遮音性の数値を確認したほうが良いと助言しました。
 遮音性は、空気を伝播する音と、物の接触による衝撃音とに分けられますが、気をつけなければならないのは衝撃音の遮音性です。現在、空気伝播音については、生活に支障が無い程度に遮音されている建物が多いですが、衝撃音については、日常生活に支障があるほど低いレベルの建物がいまだに建てられています。
 日本建築学会が『建築物の遮音性能基準と設計指針』という本を出しており、その中に、木製集合住宅に関する等級というものが3段階に定められています。衝撃音はL値というもので測られ、数値が小さいほど遮音性に優れていることを表します。
 建築学会の第3等級がL値65というもので、これについて、学会は「最低限の水準」としています。「遮音性能上やや劣る」「やむを得ない場合に許容される性能水準」であるというのです。これがL値75になると、「人の走り回り、跳びはねなど」は「かなりうるさい」、「椅子の移動音、物の落下音など」は「大変うるさい」、「生活実感、プライバシーの確保(生活行為、気配での例)」は「生活行為が大変よくわかる。人の位置がわかる」「すべての落下音が気になる」「大変うるさい」とされています。また、「とても独立した家庭生活は営めない」ともされています。
 しかし、実際には、近年新築されたアパートでも、この「最低限の水準」であるL値65を満たしていない物件があるのです。学会は、L65について「すでに実用化されているレベル。工業化住宅ではほとんどのメーカーで仕様を実用化している」「集合住宅として必要な最低性能。現時点でクリアすべき性能(最低限の水準=現時点で、全ての木質・軽量鉄骨計集合住宅が、早急に達成すべき限界値)」としているのですが、実際には、内外装や設備を高価にして肝心の構造部分を安価に作られているアパートが多いのです。
 私は築20年前後の中古アパートを持っていますが、入居中のお客様から苦情を受けることがあります。昨年、遮音性が原因で1つのアパートから2組のお客様が退去してしまいました。先に退去された1組目のお客様は、「音に敏感な人が入居してきたから生活し辛い」という理由で退去され、もう一組のお客様は、「上からの騒音がひどい」と何度も苦情の電話を下さり、結局数ヶ月で退去されました。
 古いアパートを購入する場合、遮音性の情報は通常得られません。しかし、アパートを新築する場合は、ハウスメーカーから遮音性能の数値情報を得られますので(パンフレットにも書いてあります)、遮音性に注意をして建築業者を決めることをお勧めいたします。
 ところで、遮音性をあまり気にしなくて済むのが一戸建てです。私は2年間で、一戸建てを7戸買いました。今の所、共同住宅の戸数に比べて少ないですが、将来は、一戸建ての貸家を百戸持ちたいと思います。

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