市場の歪みを突く投資2

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 間隔が空いてしまってすみません。前回裁定取引の話をしました。裁定取引についての初心者向けの非常に面白いページを見つけましたので、見てみて下さい。
 今日は不動産の話です。一棟売りマンションでは積算評価よりも収益還元評価で売買されることが通常でしょう。土地値以下で売買できれば別として、いくら積算評価が高くても建物価格は経年減価していきますし、相場よりも利回りが低い物件はなかなか売れません。土地値といっても、全賃借人の退去と建物の取り壊しができて初めて土地になるのであり、それには費用と時間がかかります。不動産鑑定の世界では収益還元評価へのシフトが終わっていますし、融資評価においても、都銀やノンバンク(ノンバンクが作った信託銀行含む)は収益還元評価です。
 積算が出て地銀・信金から融資が出るから買うという融資ありきの発想ですと、売却損が出る恐れが高いでしょうね。特に、田舎の物件を買う場合は注意して下さい。都会でも田舎でも建物評価額は同じですが、利回りは全然違いますからね。
 それに対し、ファミリータイプの区分所有マンションはどうでしょうか。賃貸中物件は収益還元評価で買うことも可能ですが、それが取引事例比較評価よりも大幅に安いということがある訳ですね。例えば、私が最初に買った収益不動産は2DKの賃貸中区分所有マンションですが、その地域の相場は千万円位で、実際、同じマンションの他の部屋を同時期に千万円で買った人がいます。
 しかし、賃料から管理費・修繕積立金等を引くと年間ネット収入60万円程度であり、場所が神奈川ということもあり、収益物件としては千万円で売るのは難しい物件でした。売主は年内に売却する必要があったので、賃借人と明渡し交渉をしてリフォームして売却する余裕はあまりなかったでしょうし、そういう知恵を付けられる仲介不動産会社でも無かったのでしょう。
 収益物件として売りに出てなかなか売れず、12月に入り、取引事例比較評価の半値の収益還元評価で私が買いました。この場合、取引事例比較評価、収益還元評価、どちらが物件の価値をより反映していると言えるでしょうか。
 一棟とは違い、1件の賃借人に退去してもらうだけで、収益物件から自己居住用物件になります。私達は転売ではなく賃貸を目的に事業してますので、賃借人をすぐに追い出す必要はなく、自主的に退去した後で売却すれば、売却益を得られる可能性が十分にあります。
 転売を目的とした宅建業者でも、このように収益還元評価と取引事例比較評価との差を突いた取引をしてくるところがあります。ファミリータイプの区分所有マンションですと、相場は収益還元評価ではなく取引事例比較評価で形成されますので、相場よりも安くかって立退き交渉をして空室にして転売すれば、利益を得られます。参入する業者が多いと業者の買取り価格も次第に上がっていき、理論上は、売買価格+諸経費+立退き費用の合計額が相場価格に至るまで、価格が上昇していきます。
 株や為替の世界では完全競争市場メカニズムがかなり働いているので、裁定機会があるとサヤを取ることを目的とした法人・個人の投資家が取引し、サヤが生じている時間は短く、また、サヤは小さくなりがちです。しかし、不動産の場合、そこまで完全競争市場メカニズムが働いていないので、ゆっくり取引しても含み益を出すことは比較的容易です。
 ファミリータイプの区分所有マンションでこうした取引をされたい方は、収益不動産情報サイトで、専有面積30平米以上の区分所有マンションを探し、1件ずつ指値交渉されると良いでしょう。
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