都銀との融資取引の道6

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 先々週話題にしたように、不動産をどんどん購入していると、登記に必要な登録免許税とその後課税される不動産取得税が損金(個人の場合は必要経費)になるため、利益はあまり出ません。そのため、損金算入せずに取得価額に算入したり、金融機関向けの資料を作ったりして、実質的な利益がもっと多いことを示します。しかし、それだけではありません。
 家賃が入ってくるのは引渡しの後ですから、期末に買うと売上がほとんど上がらないのに借入金だけ大きくなります。金融機関は、借入金と、売上・キャッシュフロー・利益とを比較しますので、決算書上では借入過多と判断されてしまいます。それを解決するのが、翌期の試算表です。その期間に登録免許税も不動産取得税もかかっていないものであれば、経営の実質をかなり明瞭に反映します。
 通常、試算表を求められるのは決算から半年位経ってからのことが多いようですが、どんどん買っている投資家は、翌期当初の1ヶ月は借入せず、登録免許税も不動産取得税もかからないようにすると、金融機関対策として効果的だと思います。
 私の会社の決算は6月末ですが、珍しいことに、7-11月は1物件も買っていないので、借入金残高が減っており、登録免許税がかかっていません。6月までに買った分に対する不動産取得税はかかりましたが、小額でした。ゆえに、信金のような処理をしない都銀でも、この間の試算表については、好印象を与えることと思います。ただ、あくまで印象であって、格付けは決算書に基づいて出されますので、不動産を買い続けて登録免許税と不動産取得税を損金で落としていると、都銀からの事業者向け融資は受け難いと思います。
 支払い時に損金にしないと、登録免許税・不動産取得税分は減価償却で時間をかけて損金にすることになり、課税額が増え、手元にあまりお金が残らないので購入資金を作れなくなりがちであり、また、現預金が少ないと預金と借入金のバランスが悪い(預貸比率が低い)ということで、融資を受け難くなる恐れがあります。
 そのため、私は、登録免許税も不動産取得税も支払い時に損金算入しています。数億円の融資をしている大手地銀の法人担当者は、当初決算書のみで格付けを出すので他の資料は要らないと言っていましたが、しばらくして電話がかかってきて、物件ごとの収入と経費と返済額の資料を欲しいと言ってきました。要は経営の実質を見たいということですね。
 某都銀には、個人部門と法人部門の両方でアプローチをしています。個人部門はアパートローンセンターというところであり、そこで個人・法人両方の審査ができるのですが、不動産賃貸業に熟知したそこの担当者は、物件ごとの収入と経費と返済額の資料をまず見たいと言いました。
 不動産をどんどん買っていくと、融資額は買った瞬間に増えるのに売上は1年のうち残りの期間しか立たず、一方で取得に伴う費用は概ねその期に落ちますので(私の場合、前期は登録免許税と不動産取得税を1,500万円近く払いました)、決算書上の数字はあまり良くありません。また、私は建物価格を過度に小さくしたり減価償却をしないといった取扱いは全くしていませんので、前期の減価償却費は3千万円以上です。昨年6月末が4期目の決算で、法人として満3年営業していますが、それでも経常利益は800万円に届きません。一方で借入金が9.5億円ありますので、不動産賃貸業を全く知らない人は、返済不能とみなすでしょう。この経常利益から借入金を返済するとなると、119年かかる計算になりますから。
 経常利益+減価償却費+登録免許税+不動産取得税から借入金を返すという計算をすると、17年で返済できることになり、さらに、期中に買った物件からの賃料収入を1年分に引き直すと、その返済期間はさらに短くなり、実際の融資期間は20-27年と長期ですので返済に問題はありません。しかし、都銀の法人審査では経常利益800万円+減価償却費3,000万円で計算されますので、そうすると25年かかることになり、この数字から見ると、道は険しいと言えましょう。
 そんな中、都銀にチャレンジしています。
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