収益還元評価について考える4

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 経費を引いた後の収益/売買価格のことを純利回りすなわちネットキャップレートと言います。算数の式変形をすると、売買価格=経費を引いた後の収益/ネットキャップレートと言います。キャップレートというと、グロスではなくネットを指すことが多いですが、経費の範囲をどこまで含めるかによって、2種類に大別できます。
 一つがNOI(Net Operating Income)、もう一つがNCF(Net Cash Flow)であり、前述の「経費を引いた後の収益」にはこの二つがあります。両社の差は、大規模修繕等、常にかかる運営経費を含めるかどうかによります。含めないものがNOI、含めたものがNCFです。
 例えば、経費を引く前の年間収入が100万円で売買価格が1,000万円の物件はグロスキャップレートが10%になります。しかし、実際には、100万円から、
・固定資産税 10万円
・水道光熱費 5万円
・原状回復費用 10万円
・賃貸管理委託料 5万円
・客付けに伴う広告料 10万円
合計40万円の経費がかかったとすると、NOIは60万円になり、NOIベースのネットキャップレートは6%となります。
 ファンドの売り物件等高額物件ですと、こうした経費が開示されますので、NOIに基づくキャップレートが求められ、表面利回りではなく、ネットの利回りで売買価格が決まります。
 銀行の個人融資では、経費率を銀行が形式的に見積もって、ネットキャップレートによる物件評価がなされます。しかし、利回り何パーセントで割るのが適切なのかは非常に難しく、一応収益還元評価を出すものの、積算評価を採用している金融機関が多いのが現状です。
 また、この方法では収益が一定と仮定されていますが、実際には時間とともに賃料は変化しますので、ある銀行員は、当てにならないと言っていました。
 ところで、今説明した収益還元法は直接還元法と言います。収益を直接キャップレートで割るのでそう呼ばれています。これに対し、より新しい収益還元評価法がDCF法です。この方法のほうがより正確に収益を計算します。将来はDCF法が主流になるでしょうから、次回以降、数回に渡りDCF法を説明します。

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