収益還元評価について考える1

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 ランキングのポイントが最盛期の半分以下に下がってしまいましたので、今度は逆に売却のことを考えたいと思います。購入に重要な融資のシリーズの継続をご希望される声も頂戴しておりますが、飽きたという方も多いでしょうから、購入と同様、不動産投資には欠かせない売却の観点から議論したいと思います。
 日本では減価償却が建築当初から始まります。ゆえに、中古で買うと減価償却期間が短くなります。家賃収入は減価償却期間が過ぎると入ってこないものではありませんが、金融関係の方々は法定耐用年数を強く意識しているようで、その残存期間内しか貸してくれない金融機関が多くなっています。
 金融庁もその考えのようで、耐用年数を大幅に超えて融資している銀行に融資期間が長過ぎるという指摘をし、その銀行は耐用年数超えの融資をしなくなってしまいました。その流れは、今後、第二地銀や信金といった小規模な金融機関にも及んでくるものと予想します。
 そうなると、中古アパートを買うと将来的にアパートとしての売却が難しくなるでしょう。オリックス信託銀行の融資期間は30年マイナス築年数で、スルガ銀行はもう少し長く見てくれますが、短縮傾向にあります。ゆえに、新築ならば何年か持ってアパートとして売却する方法がありますが、10年以上経つと融資が付かずにアパートとしての売却が難しくなることでしょう。今は10年以上のアパートでも融資が付きますが、10年後には、融資付けが一層難しくなることと予想しています。
 建築業者等が売り出す新築以外で築10年以内の中古アパートはあまり売りに出ないので、中古アパート投資の出口は、主として土地としての売却になると思われます。売却時点の土地の相場が売却価格に非常に大きな影響を及ぼします。
 一方、マンションの場合、耐用年数が長いので、築10年を超えた物件を買って、5年、10年持ってそのまま売却するという投資法が今後も使えるでしょう。ただし、売るときには、評価方法が積算評価から収益還元評価に変わっている可能性があります。時間が経つほど、収益還元評価が主流になることでしょう。ですから、いくらで売れるかを計算するには、収益還元評価の知識が必要になります。
 収益不動産の評価方法は、積算評価から収益還元評価に移ってきています。金融機関の対応は遅れていますが、市場の動きに逸早く対応できるのはノンバンクです。例えば、オリックスから融資を受けると収益還元評価になり、オリックスの子会社であるオリックス信託銀行も収益還元評価を採用しています。不動産鑑定の世界でも、収益物件は積算ではなく収益還元評価を使うのが主流となっています。
 競売では、両方出してその間(ちょうど中間という意味ではありません)の評価を出すという方法が取られていますが、それは、買主が必ずしも収益不動産として利用するとは限らないからのようです。専ら収益不動産として売買する場合の鑑定評価は収益鑑定評価のみが使われているようです。また、金融庁は、収益不動産の融資基準を収益還元評価が望ましいという見解を金融機関に示しているようです。
 ですから、将来いくらで売れるのかを予測するためには、収益還元評価の知識が必要になります。
 
 という訳で、次回以降、何回かに分けて、収益還元評価について書いていきたいと思います。

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