貨幣の現在価値とWACC

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 不動産投資では長期的に家賃収入が入ってきて、将来は売却損益が生じることになります。この際、今年入ってくる100万円と数年後に入ってくる100万円とでは価値が違います。このような考え方を貨幣の時間的価値といいます。このように考える理由は2つです。
 第1は金利です。今年入ってくる100万円を預金しておけば数年後には金利分だけ預金残高が増えます。同じ100万円でも今年入ってくる100万円は1年後には100万円+金利になりますので、金利分価値が高いということになります。
 第2は不確実性とリスクです。今年100万円の家賃が見込まれるというのは確実性が高いですが、来年も100万円が入ってくるでしょうか。空室率が上がるかもしれませんし、災害が起こるかもしれません。来年入ってくると見込まれる100万円については確実性が低く、リスクが高くなります。ゆえに、来年の100万円よりも今年の100万円のほうが価値が高いと考えられるのです。
 数式化してみましょう。Money0の1年後をMoney1とすると、
Money1 = Money0 * (1+R)
ここでRは金利とリスクで価値が変化する率で、割引率といいます。
 1年後にMoney1が入ってくることと今年Money0が入ってくることは同じ価値で、逆に言うと、1年後のMoney1は現時点ではMoney0の価値しかありません。なお、Money1をMoney0の1年後の将来価値、Money0を1年後のmoney1の現在価値といいます。
 上の式を変形すると、
Money1 * 1/(1+R) = Money0
となり、N年間の複利計算をすると、
MoneyN * 1/(1+R)^N = Money0 = MoneyNの現在価値
となります。
 要するにN年後の貨幣価値を割引率Rで割ったものが現在価値であるということです。例えば、5年間に渡り100万円が入ってくるとします。割引率を3%とすると、
500 * 1/1.03^5 = 500 * 0.8626 = 431.3044
すなわち、現在価値では約431万円ということです。
 そして、この割引率はWACCを使います。銀行の預金金利ではありません。不動産投資の資金調達金利は預金金利よりも高くなり、また、リスクも伴いますので、資金調達コストとリスクが反映されたWACCを使うべきなのです。
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