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2014年06月13日

事故を保険会社任せにすると前科者になりかねません



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 コメントありがとうございます。また、メールも頂戴しありがとうございます。加害者の保険会社は損保ジャパンではありません。もっともその会社と非常に近い関係の損保会社ですが。

 事故そのものは車に跳ね飛ばされたり車輪にひかれたり頭を打ったりという大きな事故ではなかったので、ご心配頂かなくても大丈夫です。けれど、小さな事故でも心身に異常を来たし完治まで時間がかかる恐れがあるということは、今回怪我をして実感しましたし、一方、誰かに怪我をさせたらたとえ捻挫等の軽傷であっても簡単に解決するとは限りません。その点保険は有意義ですが、使い方を間違えると大変なことになります。

 自動車を運転すれば自動車事故とは隣り合わせですが、不動産賃貸業では施設の管理に起因して入居者の身体・生命に危険を及ぼす事故が起りえます。清掃や電灯管理の不備による転倒、廊下や階段の劣化による転落、屋根の不備による入居者への落雪、管の不備による爆発、耐震性が低いことに伴う建物の倒壊、建物管理の不備による火災時の被害拡大等、例を挙げたらきりがないほどです。こうした事故を担保するのに施設賠償保険があり、私は各物件に数十億円、合計で千億円位の保険金をかけています。

 万一事故でお客様に迷惑をかけてしまった場合、保険会社の承認を得てお客様に賠償金を払うことになります。事業を営んでいる経営者にとって賠償リスクを考えるのは当然のことですが、そういう仕事をしていない一般の方の中には、日常生活上の賠償リスクについて無頓着な方多いのかもしれません。

 特に、自動車保険では示談交渉サービスが付いていることから、加害者は自己対応を保険会社任せにして何もせず放置しがちですが、保険会社がきちんと被害者に対応しているのか、保険会社をきちんと管理しないと、前科者になりかねません。

 確かに支払額を抑えるという点では保険会社は有益ですが、加害者が払う賠償金は保険会社が出しますので、賠償額を減らすことが加害者の利にはなりません。利を得るのは保険会社です。保険会社は営利企業ですから当然のことです。一方、保険会社の払い渋りによって、加害者は刑事罰を受ける恐れが高まります。

 傷害事件等で容疑者が不起訴(起訴猶予)になり、事件が検察庁の捜査をもって終わり、加害者が罰せられないことがあります。そうなる理由は怪我が軽いからということだけでなく、被害者が加害者を告訴しなかったり(告訴を取り下げたり)、加害者を罰する旨警察や検察に求めなかったりするという要因もあります。ニュースを見ていると、「被害者との示談が成立したために不起訴(起訴猶予)になった」とか「警察が立件を見送った」とかしばしば耳にします。

 相手を死亡させてしまったような場合は刑事責任を逃れられませんが、傷害の場合、被害者と示談して被害届等を取り下げてもらえば、刑事罰を受けなくて済むことが多々あります。実際、私も交通事故当日の現場検証時に警察官から「加害者を罰してもらいたいですか」と質問を受けました。それに対し私は「加害者が被害をきちんと賠償してくれれば刑事罰を求めません」と答えました。それを受けて、加害者が警察から検察に書類送検されたものの、当初検察は何ら捜査をしないで不起訴扱いしました。

 けれど、12月に入り加害者代理人と称する弁護士から受診妨害のような行為を受け、本人の意向を確認しようと加害者に電話をかけたところ「全て保険会社に任せているから何もお話することはありません。保険会社に電話して下さい」と言われました。保険会社の意向は担当窓口となっている弁護士が「これ以上治療費を払わない」というものでしたし、休業損害保険金も全く支払われていない状況でしたので、事故当日の事情聴取で応答した「加害者が被害をきちんと賠償してくれれば」という前提が崩れました。そのため、私はその旨警察と検察に連絡し、本件事故が検察で正式に捜査されることになりました。

 その後加害者の刑が確定し、前科が付きました。量刑が低いと感じて検察官に問い合わせたところ、「前科一犯になることは重い」と検察官から言われました。確かに量刑が軽くても刑事罰を受けると一定の制約を受けますし、警察・検察にはそのデータがずっと残るようです。

 結局、その加害者は事故を保険会社にして、代理人になっている弁護士と打ち合わせすらせずに対応を放置していたため、前科者になってしまったのです。弁護士に委任していることすら知らず、保険会社から報告をたまに受けるだけだったようです。代理人弁護士が被害者にどのような対応をしているかは委任者としては知るべきことでしょうが、弁護士費用を出しているのが保険会社であることから、何ら関心を持たなかったようです。

 似たようなことは賃貸保証会社が行う立ち退き訴訟でもあります。滞納が解決しない入居者に対して保証会社の費用負担で弁護士を立てて立ち退き訴訟を行うのですが、その際の原告は貸主です。そのため、貸主が弁護士に委任するのですが、委任状は保証会社や管理会社から送られてきてそうした会社に返送します。弁護士事務所に直接送ることはあまりありません。そして、費用がいくらかかるかという話も弁護士事務所としません。貸主が積極的に弁護士事務所に連絡しないと、知らないうちに裁判が始まって終わっているという状況になってしまいます。弁護士は形式的に貸主の代理人でも、実質的には保証会社の意向で業務をしており、これは問題だと私はかねてより感じています(それゆえ私は弁護士事務所に積極的に連絡して、弁護士や保証会社を困惑させることがあります)。

 保証会社は早く立ち退かせたい訳ですが、貸主としては、今後の家賃を払ってくれるならば住み続けてもらったほうが良い訳です。また、被告となる入居者が裁判に出廷した場合には、未払賃料まで含めた和解となる可能性がありますが、ここにおいても、保証会社の求償権以上に貸主の借主に対する債権があると、保証会社の債権の範囲内しか債権が無いという和解をされては、貸主としては困ります。

 賃貸保証会社にしても損害保険会社にしても、弁護士への委任は概して会社が主導してなされ、費用も会社が負担しますので、委任者である契約者と受任者である弁護士との間で、直接のコミュニケーションがなく、委任者の代理人である弁護士が、保証会社や保険会社の意向に沿って動いている実情があります。しかし、契約者と保証会社や保険会社とは利害が対立する関係であり、そういう会社の意を受けた弁護士が契約者の代理人を務めるというのは、違和感があります。

 まして、対人事故の場合、被害者と示談が成立しているか、または、被害者が処罰希望の意志を持っているかによって、加害者が刑事罰を受けるかどうかが大きく左右されます。もし私が逆の立場だったら、自ら主体的に動き、刑事罰を受けないようにしますね。その方法は二通りあります。

 一つは、保険会社を説得して被害者が満足する賠償金を払うことです。二つは自動車運転過失致傷という罪自体を否定して不起訴(嫌疑なし)や無罪を勝ち取ることです。自分が相手に怪我をさせてしまったと思えば前者ですし、相手が「当たり屋」であるとかぶつかっていないという確信があれば後者です。保険会社は民事上の賠償責任を代わりに払う存在であり、刑事事件には関与しませんから、刑事責任を逃れるためには、保険会社任せにしてはいけません。

 賃貸保証会社は損害保険会社から仕事をもらっている弁護士は、委任者と全く連絡をとらずに弁護士費用を負担する会社の意向通りに活動して、問題とならないのでしょうか。それでは保証会社や保険会社の弁護士になってしまい、委任者の弁護士とは言えないのではないでしょうか。これについては、法律専門家の方からのコメントを待ちたいと思います。

 ところで、12月に加害者代理人弁護士から治療費を払わない、と言われたのに、加害者の保険で2月以降治療を受けることができました。今でも加害者代理人弁護士は治療費支払い義務を認めていません。それなのにどうして加害者の保険が使えるのでしょうか。どういうことか、ご興味のある方は、
をクリックして下さい。


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posted by 石渡浩 at 23:56| Comment(6) | TrackBack(0) | 交通事故
この記事へのコメント
長くて読む気にならない
Posted by メガネまん at 2014年06月14日 07:20
加害者側弁護士は加害者から委任を受けて加害者側損保会社の利益のために働く、という構造なんですね。

加害者は積極的に加害者側弁護士の活動に関与する必要がありそうですが、加害者側弁護士の実質的な立場を考えると、加害者の意向を第一に考えて行動する可能性は低いように感じます。

加害者が自ら弁護士を選任して加害者側損保会社が費用負担する、と進めることはできないんでしょうかね?


私は2度車に突っ込まれたことがあります。
いずれも当方の責任割合が0%だったのですが、当方に過失がある場合に損保会社に委任可能な契約だったため、自分で加害者側損保会社と交渉したことがあります。

損保会社には事故被害者の損害を回復させるという存在意義があるはずですが、交渉を通じて終始払い渋りを続け、裁判例が定着して慣例となっていることでも被害者が資料を明示して申し出るまでは知らぬ存ぜぬを突き通し、さらには脅し文句まであり、、、、存在意義を忘れひたすらに自社の利益を追求する姿勢が強烈に印象的でした。

困難な状況にある被害者から利益を剥ぎ取ろうとするその振る舞いはまるでハイエナのようで、親にも子にも友人にも自分の仕事を説明できないだろう、卑しい仕事だ、と心底感じたものです。
Posted by s at 2014年06月14日 09:44
 私はプロではなく学生ですが、民法の委任は行政書士試験でも出てくる内容ですので、貴社法務担当者に聞いてみてはいかがでしょうか?
 かなり詳しいところまで判断するには現実の契約書を見ないと保険会社によっても変わるでしょうし、弁護士によっても変わると思います。
ただ私個人の認識を申し上げますと、

 1、保険契約で出る保険金額の認定は通常保険会社が認めた額になるように契約しています。
 2、不法行為に基づく損害賠償は医師の診断書さえあれば大抵通ります(司法権の限界により専門的事項について裁判官は審査できないため医師判断を尊重します)が、「1」により認定された保険金額と損害賠償額が必ずしも一致はしません。
 3、示談を委任された弁護士がいる場合、加害者と都度連絡を取り合う必要性は必ずしもあるとは言えません。
そもそもこの記事の場合、保険金は満額出てる気がします。その上で当該弁護士は加害者の懐事情を考え、減額のための示談を行った可能性があります(それ自体の良し悪しはともかく)。そのため保険会社の弁護士ではないか?と傍から見えるのではないでしょうか?。
 そもそも示談中はともかく示談の結果は加害者本人に伝えるはずですので、その時点で損害賠償から出る保険金を差し引いた残額を支払うか支払わないかは加害者本人の意思で決定したように見受けられます。
 4、弁護士は刑事訴追の関係上通常ならば、和解・示談を薦めますが、被害者側から刑事訴追を口に出せば脅迫罪として反訴されかねない事情と、そもそも刑事訴追を軽視している一般人は結構多く支払わないケースもあり得ます。
 逆に弁護士が示談結果すら通知していないとあればその弁護士には債務不履行、善管注意義務違反などの問題があるでしょう。
また、この場合弁護士事務は短期消滅時効(実際には公訴時効)が定められてますので、刑務所に入ったりしますと出たころには民事訴追不可能になっている場合があります。弁護士会の懲戒も同様です。

兎にも角にも保険契約と当該弁護士との委任契約がなければ判然としませんが、本件は保険契約の恐ろしさを示す例題になりましたね。
Posted by 社会人学生 at 2014年06月14日 11:44
主は「当たり屋」ですか。
保険会社からどれだけ多くの保険金を引き出せるか試しているような文面です。
Posted by 匿名 at 2014年06月14日 15:22
アップお疲れ様です。
以前にもコメントいたしました外国人の件ですが、日本の伝統ともいえる量刑の軽さにも疑いを抱かざるを得ません。
まさかとお思いでしょうが、司法の現場にも日本人を騙った外国人が多数紛れ込んでいる可能性があります。
故意に日本人を傷つける目的で、前科は重い等の理由をつけて不当に刑を軽く済ませるように伝統を作ってきた可能性があるのです。
それほど今の日本は外国人に席巻及び凌辱されているのが現実です。
くれぐれもまず被害にあわない様お気を付けください。
Posted by 辛丑 at 2014年06月14日 20:14
めんどくさい
Posted by ゆうや at 2014年06月14日 22:39
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