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金融監督行政の有効性について論じてみたいと思います。
最近半年間にみる金融監督行政の変化が金融システムの安定に必ず繋がるかと言われれば、それには疑問があります。本来金融システムの安定のために行うべき金融行政が「成長戦略」のために濫用されている気がしてなりません。そして、金融システムが不安定になることで経済成長も果たされない恐れを懸念しています。
確かに、日銀の金融緩和によってマネタリーベースが増えても金融機関が民間への融資を増やさなければ、経済成長という政権目標は達成されないので、そこに金融行政の必要性はあります。しかし、中小企業に対し、金融機関に資産査定を委ねて事業性を重視した融資審査をさせ、経営者個人保証を取らずまたは保証範囲を限定して新規融資を促進させるという金融行政は、短期的には経済成長にプラスに作用するかもしれないが、ともすれば金融機関の融資取り組みを萎縮させ、あるいは、デフォルトを増加させ、従前であれば融資を受けられた堅実経営の中小企業が融資を受けられなかったり、あるいは、本来融資を受けるのに不適当な中小企業が融資を受けた結果金融機関の不良債権が増えたりして、金融システムが逆に不安定になり、そして、長期的には経済成長に悪影響を与える恐れがあると考えます。
例えば、「金融モニタリング基本方針」で、これまでの方針とは異なり新たに「融資審査における事業性の重視」「小口の資産査定に関する金融機関の判断の尊重」といった定めがされましたが、従前担保や財務力を重視した融資審査をし、金融庁が定めた方法で融資先を格付けしてきた金融機関に対し、独自の方法による資産査定と融資審査を求めるのには無理があるでしょう。彼らの多くはそのノウハウを持ち合わせておらず、どのように査定・審査したら良いか分からない中で事務年度替りに大幅な方針変更をされても、新規融資の増加はそう簡単にはいかないでしょう。
さらに、実質的に本日から開始された「経営者保証に関するガイドライン」とそれを踏まえた監督指針・検査マニュアルの改訂が金融機関の戸惑いに一層拍車をかけることでしょう。私は各取引銀行の営業担当者と今年に入りこの話を頻繁にしていますが、実際、今朝の時点でも支店レベルまで十分に情報が降りていない金融機関があり、そして、適切な教育がなされている金融機関では対応に苦慮していると、肌で感じています。中小企業に経営者連帯保証無しで融資したり保証債務額を限定したりするというのは金融業界で前例がない上、様々な問題があるからです。
数年前までは第三者保証人が必要なことが多かったのに、これからは代表者連帯保証人無しで法人融資が受けられるといって喜ぶのは軽率です。それによって、融資が受けにくくなる恐れもあります。政府は中小企業が融資を受け易くするためにと始めた政策ですが、そう単純な話ではありません。どういうことか、こうした話題にご関心のある方は、
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2014年02月03日
最近の金融庁の金融行政について2
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