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話を先月に戻します。
決算書の販売費・一般管理費の内訳においては、固定資産税も不動産取得税・登録免許税も一緒の「租税公課」科目に入れる会社が多いことでしょう。このまま財務分析をすると、不動産取得税・登録免許税も含めてその年の租税公課の金額がその後毎年かかるものとして、銀行のコンピュータ計算されてしまいます。しかし、実際にそうではありません。会計上の特別損失ではありませんが、「租税公課」科目に含まれる不動産取得税・登録免許税について、銀行・信金の中には「一過性経費」と捉えるところもあります。
このように実態を踏まえた財務分析をしてもらうためには、固定資産税等の本当に毎年同様にかかる費用とは別に不動産取得税と登録免許税を費用計上していることを、決算書を受け取る銀行担当者に理解してもらう必要があるのです。
某信金支店長の一言を受けて、私はそれ気付き、それ以降、私は税理士と相談して、「租税公課」の中の登録免許税・不動産取得税の金額を個別注記したり、「租税公課」科目には不動産取得税・登録免許税は含めないで別途「不動産取得税・登録免許税」という科目を新設したり、と工夫してきました。担当の銀行員のために分かりやすい決算書と個別注記表を作ることで、融資が受けやすくなるのです。
これによって、登録免許税・不動産取得税を損金経理して税引後キャッシュフローを多くしつつ、融資審査で、登録免許税・不動産取得税を費用処理することによる悪影響を軽減させることができました。
もっとも、全ての銀行でこれが通用する訳でもありません。特に都銀では、中小企業のために実態を見て財務面でプラス評価するというやり方をあまりとってくれないので(減算はするのでしょうが)、個別注記や決算書上の科目分けに頼らずに、決算書の表面上の数字を良くする必要がありました。
某都銀の担当者とこの問題について相談した際のやりとりです。
私 :「決算書の登録免許税・不動産取得税は、会計原則上は資産計上すべきところ、税法の規定を優先して損金処理しました。けれど一過性経費なので、通常の販管費とは別に捉えて頂きたいのですが」
銀行員:「そういうことでしたら資産計上して下さい」
私 :「そうすると払った登録免許税・取得税を払った上に法人税等を払わなければならず、二重課税になり、税引後キャッシュフローが少なくなってしまいます」
銀行員:「それでも支障ないように経営されれば良いのではないでしょうか」
私 :「不動産を購入していくことを考えると、なるべくキャッシュを増やしたいのですが」
銀行員:「それならば費用計上されるしかないのではないでしょうか」
私 :「大きな物件を購入した期に登録免許税・不動産取得税を販管費に入れると債務償還年数等の財務指標が悪くなってしまいますが、『一過性経費』として別に捉えていただくことはできませんか」
銀行員:「御社が資産とすれば当行も資産としてみますし、御社が費用とすれば当行も費用としてみます。固定資産税も登録免許税・不動産取得税も区別ありません」
私 :「当社でどちらか選択するしかないのですね」
銀行員:「基本的にはそうです」
ここで私は考えました。決算書では資産計上しつつ、その分を申告書で損金にしたりして、登録免許税・不動産取得税分の課税を何とか逃れられないか、と。
どういうことか、詳細にご関心のある方は、
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2015年10月21日
銀行員に「そういうことでしたら資産計上して下さい」と言われた話
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二重課税は以下のような際に使います。
会社の利益に対して法人税を取られ、取られた後の利益を配当した際に所得税を取られる。
外国子会社の利益に対して、現地で法人税を取られ、取られた後に日本の親会社に配当した際に、日本の法人税を取られる。
二重課税とは、ある利益に対して別々に課税される事です。
不動産取得税は利益に対して課税されるものではないので、二重課税には当たりません。