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学生時代に自己資金2千万円で不動産投資を始め,その後就職せずに融資を受けて6年間に15億円以上投資し年間家賃収入2億円の石渡浩が,自己資金千〜数千万円程度の一般投資家を主対象に,アパート経営を成功させ不動産賃貸業を本業にするためのノウハウを伝授します.
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2012年08月24日

警察から電話があったら何でも直ぐに答えますか? 顧客情報の第三者提供について考える


 私は不動産賃貸業すなわち大家なので、その顧客は賃借人・入居者になり、顧客の個人情報を持っています。この仕事をしていると、第三者から入居者についての問い合わせがたまにあります。単に電話番号を知りたい、というものもあれば、紛争の相手方からの詳細な質問もあります。このブログは不動産賃貸業者のみならず、様々な業種の経営者の方々が見ていらっしゃることと思いますが、顧客の個人情報について外部から照会があったらどうしますか。

 実は、私の不動産賃貸会社は、個人情報を第三者に勝手に提供しても個人情報保護法違反にはなりません。個人情報保護法の法規制が、5,000人を超える個人データベースを持っている事業者が対象であるところ、賃借人・同居者含めて1,000人もいないので、法規制の対象外なのです。他の家主の物件を管理したり転貸している会社は別として、純粋な賃貸業として、個人情報保護法違反が問われる可能性のある人は少ないことでしょう。

 しかし、法規制の対象外だからといって法を無視して顧客情報を無断で第三者に提供しては、顧客とのトラブルになります。現在、そういうことをしてはいけない、という社会になっていますからね。私は不動産以外に情報ビジネスもしていますので、個人情報の取り扱いについてはとても厳重にしています。

 では、警視庁からの照会はどうなのか。個人情報保護法は次の通り定めています。

第二十三条  個人情報取扱事業者は、次に掲げる場合を除くほか、あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはならない。
一  法令に基づく場合
二  人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき。
三  公衆衛生の向上又は児童の健全な育成の推進のために特に必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき。
四  国の機関若しくは地方公共団体又はその委託を受けた者が法令の定める事務を遂行することに対して協力する必要がある場合であって、本人の同意を得ることにより当該事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき。


 私は法学をきちんと学んだことがないので、もし誤解ならば専門家の方にご指摘頂きたいのですが、「捜査関係事項照会書」への回答で退去者情報を警察に提供したことは、第23条の1,2,4号に該当するので、適法と認識しています。

 まず、「法令に基づく場合」ですが、警察の照会書によれば、その照会は刑事訴訟法917条に基づくものとのことです。そこで法律を調べたところ、「捜査については、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる」とありました。照会された会社等に回答義務の法的拘束はありませんが、各省庁や業界団体が出している個人情報保護法ガイドライン等では、拘束力のないものでも「法律に基づく場合」に当たる、とされています。

 もっとも、担当捜査官に聞いたところ、これでは応じられないという会社もあるそうです。その場合には、裁判所を通して法的拘束力のある処置を取るそうです。いくら法律に定めがあっても任意に個人情報を第三者提供することで、顧客に不利益が生じたり、顧客とトラブルになったりしては困る、という慎重な会社もあって当然です。例えば、弁護士か弁護士会を通して弁護士照会をかける場合も「法令に基づく場合」に該当すると金融庁ガイドラインに書かれていた記憶がありますが、実際、預金取引等について照会に応じない銀行が多いと知り合いの弁護士が言っていました。

 次に、「人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき」について、振り込め詐欺被害者の財産の保護のために必要があり、本人とは連絡が取れませんので、本件については、これを根拠に提供して良いと考えました。ただ、電話で警察官を名乗られても本当に警察官かどうか、そして、本当に振り込め詐欺容疑が退去者にかけられているのかどうかも分かりませんので、当初電話があった際、「財産保護のために必要」との認識を示したうえで、書面を送るよう依頼しました。回答は警視庁宛てに郵送しましたので(もちろん宛先住所確認しました)、仮に誰かが「捜査関係事項照会書」を偽造したとしても、偽造者の元には届きません。

 最後に、「国の機関若しくは地方公共団体又はその委託を受けた者が法令の定める事務を遂行することに対して協力する必要がある場合であって、本人の同意を得ることにより当該事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき」について、これは行政事務遂行への協力であり、3段落前に「法令に基づく場合」と書きましたが、本件は、第1号ではなくこの第3号に該当するのかもしれません。「協力する必要」があるのかどうかについて私には分かりませんので、興味のある方は、ガイドラインやコンメンタールでお調べ頂ければと思います。

 事業者として顧客の保護を第一に考えるべきですが、本件は、振り込め詐欺被害者がおり、顧客の賃借行為が非常に悪質と判断したので、警察に全面的に協力しました。

 任意協力の場合、ケースバーケースでどうするか決める必要があるでしょう。

 さて、振り込め詐欺とは言いましたが、具体的にどのような事件で、どのように住所が利用されたのでしょう。事件の詳細にご関心のある方は、をクリックして下さい。ご希望が多ければ、明日続編を書きます。


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posted by 石渡浩 at 17:03| Comment(5) | TrackBack(0) | 賃貸経営トラブル

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